1.現金
簿記上の現金は、私生活での現金とは範囲が異なる。
「勘定への記入」と「仕訳」について、その関係、仕訳にもとづいてどのように総勘定元帳の各勘定に記入していくところがポイント。
※総勘定元帳:現金勘定、借入金勘定などのすべての勘定を束ねた帳簿
・現金の範囲
私生活における現金は、通貨(紙幣・硬貨)のことである。
簿記上では、通貨だけでなく通貨代用証券と呼ばれるものも含む。
通貨代用証券:すぐに換金することができるもので、支払手段としても用いることができるもの
簿記上現金として扱われるもの
①通貨
・紙幣・現金
②通貨代用証券
・他人振出小切手
・送金小切手
・普通為替証書や定額小為替証書 など
2.現金勘定への記入
<貸借対照表の関する勘定>
- 資産の勘定・・・借方:増加 貸方:減少
- 負債の勘定・・・借方:減少 貸方:増加
- 資本の勘定・・・借方:減少 貸方:増加
<損益対照表に関する勘定>
- 費用の勘定・・・借方:発生
- 収益の勘定・・・貸方:発生
- 増加・・・増加した金額を記入
- 減少・・・減少した金額を記入
- 発生・・・発生した金額を記入
これらのように仕訳をして記入をしていく。
例えば、株主から20X1年4月1日に5000円の支出を受け、会社が設立されたときの仕訳は
借方科目:現金5000円 貸方科目:資本金5000円 となる。
現金を受け取ったことから「現金」、商売を始めるための元手を得たことから「資本金」と勘定科目を用いる。
勘定記入では、
現金勘定の借方に資本金5000円(現金の増加したため)に記入
資本金勘定には貸方に現金5000円(資本金の増加のため)を記入する。
また、それぞれの金額の左には、取引日と相手勘定科目を記入する。
・相手勘定科目・・・仕訳を見て、その科目の貸借反対に記入されいている勘定科目のこと
相手勘定科目として「資本金」と記入することで、現金の増加の理由がすぐわかるようになる。
現金も同様で、相手勘定科目に「現金」と記入することで支出の現金の増加がすぐわかるようになる。
これらの勘定記入を「転記」という。
転記の内容は日付・相手勘定科目・金額の3点セット
また、相手勘定科目が複数ある時は「諸口」と記入をする。
3.現金過不足
現金過不足は本来あるべき金額より、多かったり少なかったりしたことを現金過不足という。
現金勘定の残高(帳簿残高)と金庫やレジなどにある実際の現金の額(実際在高)を比較して現金過不足の有無がわかる。
・仕訳の方法
現金過不足が発生した場合、帳簿残高を実際在高に合わせるように修正する必要がある
100円の過不足が発生した場合、
現金=資産の減少になるため、貸方科目に100円を記入する
また、100円の過不足の原因が不明なので、このままだと仕分けの借方に記入ができない。
とりあえず、現金過不足勘定の借方に記入をすることにして「現金過不足」を記入する。
現金過不足はとりあえず用いるものなので、資産・負債・資本・収益・費用のどれにも該当しない。
上記の場合の勘定記入は
現金勘定:貸方:現金100円(現金が足りてないから)
現金過不足勘定:借方:現金100円(現在現金過不足が発生しているから)
と記入をする。
過不足の原因が判明したとき、差額の処理が必要となる。
この処理は現金過不足勘定の残高をゼロにするように仕訳を行えば良いというものになる。
例として、今回の現金過不足の原因が以前購入していた切手代の支払いが記帳もれだった時、
仕訳は
借方:通信費100円(費用の発生) 貸方:現金過不足100円(現金過不足の減少) となる。
切手代は「通信費」という勘定科目に分類されており、通信費は費用の発生に該当する。したがって借方に記入をする。
この場合の勘定記入は、
現金過不足勘定:借方:現金100円 貸方:通信費100円
通信費勘定:借方:現金過不足100円 となる。
また、現金過不足勘定に記入する際に、
現金の帳簿残高>現金の実際有高のとき→現金過不足勘定の借方に記入し
現金の帳簿残高<現金の実際有高のとき→現金過不足勘定の貸方に記入をする。
今回は以上です!
仕事の疲れと寝かしつけ敗北で投稿するまでに時間がかかってしまいました。
例題を元に解説されているので、自分でまとめると難しさを感じます・・・。でも文面に出して、自分でまとめるのは時間はかかるけど理解は深まっていくと思うので、また次回も頑張っていきます!
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